さほど親しくない会社の同僚に、「お金を貸して」と頼まれた。 給料が出たばかりだったため、この同僚にお金を貸したのだが、貸して気付いたのは、給食が出たばかりなのは同僚も同じ。 職場に戻ると、別の同僚から言われたのは、「A君にお金を貸したらダメだよ」 私、「どうして?」 同僚、「A君、ヤバイところからお金を借りてるみたいだから」 私、「早く言ってよ、今、貸しちゃったじゃない」 職場から会社の玄関を見ると、黒塗りの車に乗ったヤバそうな男達が集まっていた。 A君がヤバイところからお金を借りていることが会社中に知れ渡ったのは、各部署にヤバそうな男達からと思われる電話が掛かって来ていたから。 ヤバそうな男達からの電話が掛かって来るようになると 上司、「女性は電話に出ないように」 OL達、「はい」 ということは、電話が掛かって来ると OL達、「早く出なさいよ」 私、「えー、僕が出るの?」 OL達、「男でしょ」 私が借金をしてるわけではないが、ビビリながら電話に出ると、「上司に変われ」と言われたので、上司に電話を繋ごうとすると、上司は両手でバツマークを作り電話を拒否した。 切っても切っても、ひっきりなしに電話が掛かって来ていたのだが、その電話が掛かって来なくなったのは、会社の玄関でヤバそうな男達に囲まれ、A君が土下座をしたからだ。 OL達、「Aさん、どうなるんだろう?」 同僚が土下座させられていても、誰も助けに行かない。 翌日、上司から聞かされたのは、A君が代理人を通じて会社に辞表を出したということ。 代理人って誰だろう? 会社を辞めたA君は今も音信不通で、私が貸したお金は帰って来てない。