お知り合いの方の話です。

小学生の頃家族と一緒に 新築の家に住んでいたそうです。
父と母と弟とその方の四人家族で、お友達に 「新築っていいな」と羨ましがられて、正直ちょっと鼻が高かったそうです。

でも、その幸せは長く続きませんでした。

ある日、父親と母親が深刻な顔で話し込んでいたそうです。
やがて知らされたのは、父親が家族に内緒で多額の借金を抱えていたということでした。

新築の家を建てるために銀行からローンを組んだだけでなく、住宅ローンでは足りないと感じ、消費者金融にお金を借りていたようです。
母親は全く知らされておらず、気づいた時にはもう返済が追いつかない状態だったそうです。
家計はどんどん苦しくなり、結局家は売られることに。

家を売った後、両親は離婚し、
その方と母親、弟を連れ古いアパートへ、父親は一人暮らしを始めましたが、仕事もうまくいかず、やがて生活保護を受けるようになったと聞きました。

当時は父親を恨んだし、悔しい気持ちだったそうです。
でも今、大人になって結婚し、新築を構え、思うのは、父も追い詰められていたのかもしれないということを考えられるようになったそうです。
家族をもって気持ちが変わってきた事もあるようですが、両親とは連絡はほとんどとっていなく、自宅も教えていなそうです。
借金の怖さは、額の問題ではなく、家族や人間関係を壊してしまうところにあります。

借金問題は、家やお金を失うだけでなく、「家族」という土台そのものを失ってしまうんだな、と聞いていて複雑な気もちになりました。

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