私が所有する賃貸アパートに入居したのは、名門大学に通う女子大生。 近頃の若者には珍しく、親と一緒に入居の挨拶に来た。 女子大生の第一印象は地味。 その地味な女子大生に変化が生じたのは、大学入学から1ヶ月ほどのゴールデンウィーク。 私、「帰省はしないの?」 女子大生、「大学に入ったばかりだから、帰って来るのは、まだ早いと親が言うのです」 私、「???」 入居の挨拶に来られたときは、「一人娘が心配」と言っていたのに、「帰って来るのはまだ早い」と言うだろうか? ゴールデンウィーク明けに女子大生に会うと、地味だった印象は激変し、髪は金色に染め、メイクも派手になっていた。 何より驚いたのは、大家の私に気付いても挨拶をしなかったこと。 長年、大家をしている私は多くの大学生を見て来た。 男も女も学生が激変するのは、付き合う相手が影響をしている。 かつては地味だった女子大生の親から、大家の私に連絡があったのは、大学の夏休みが始まった頃。 女子大生の親、「娘と連絡が取れないので、部屋を見て来てもらえませんか?」 大家をしていると、このような依頼は珍しくないため、管理会社の者と女子大生の部屋を見に行くと、ポストには金融機関からの督促状が沢山届いていた。 大家であっても、勝手に見ることは許されないため、督促状が沢山届いていることだけを女子大生の親に伝えると、「やっぱりそうですか」。 女子大生の実家の方にも、督促状は沢山届いているらしく、数日後、女子大生の親が私のもとを訪ねて来た。 親、「娘のことで何か知りませんか?」 大家として知っていることを話すと、 親、「ご迷惑をお掛けしてスイマセン」 女子大生の親が謝ったのは、見た目が派手になった頃から、女子大生はアパートに男を連れ込み騒ぐため、大家の私に近隣から苦情が来ていたから。 親が把握しているだけでも、女子大生が作った借金は300万、大学入学から半年も経ってないのに。 女子大生は大学を中退、アパートに住む他の大学生によると、退学した女子大生は現在風俗で働いているらしい。