私は30代後半男性です。結婚して嫁と2歳の子供がいるのですが、友人の借金を肩代わりし、多額の借金を背負いました。それと同時に不運は続き、契約社員として勤務していた会社から契約更新ができないとの通知を受け、無職になってしまいました。収入がないので借金は返せるわけがなく、家に借金取りが日々押し寄せて来ては頭を下げて何とか返済を遅らせてきました。ただ、遅らせているだけであり返済額が減っていくわけでもなく、仕事を見つけて収入を得るまでのスピードが間に合わなくなった挙句、借金の矛先が私だけならまだしも家族や身内にまで及び始めそうな時に、最終手段として夜逃げをすることに決めました。ネットで見つけた夜逃げを手伝ってくれる業者、いわゆる「夜逃げ屋」のサポートと指示を受けながら住んでいた東京から離れた名古屋の業者が斡旋してくれたアパートにこっそり引っ越すことにしました。「住んでいる」ということをアピールするために貴重品と必要最低限のものをもち、家具などは元の家に残し、さらに言えば電気メーターを止めたりすることなくスーツケース3つ分ぐらいの荷物を持ち、幸い持っていた車で夜中にこっそり家を捨てて名古屋に向けて出発しました。「引っ越した」という様子を全くみせず、あたかも「人が住んでいる」という雰囲気を出すことにとにかく集中しました。その後に待ち受けるであろう辛い人生も考えられましたが、その場ではそうするしかありませんでした。