ヤリモクで声を掛けたら、女はノコノコ付いて来た。
私、「幾つ?」
女、「21」
私、「ウソつけ」
女、「本当は20」
女は身分証を見せてくれたが、素人でも見破れる完成度の低い身分証だった。
私、「〇〇生か?」
女、「歳なんて、どうだって良いじゃない」
男の私としては、女は若いに越したことはない。
私、「もしかして、家出中?」
女、「どうだって良いでしょ」
どう見ても〇〇生にしか見えなかったのだが、アレの経験はそれなりにあり、それなりに楽しめた。
シャワーを浴びリビングに戻ると、
女、「タバコ、貰ったよ」
私、「うん」
それなりにアレを楽しめたのだから、タバコ1本なんて安いもの。
女は歳の割に、髪に潤いがなく、肌は荒れていた。
私、「メシは食ってる?」
女、「食べてない」
私、「インスタントだったらあるぞ」
女、「ちょーだい」
腹が減っていたのか、女は下着が露わになっているのに夢中にラーメンを食べた。
女、「あー美味しかった」
私、「これから、どうするの?」
女、「何も決めてない」
私、「だったら泊まっていけよ」
女、「良いの?」
良いに決まっている、それなりにアレを楽しめるのだから。
私、「昼間は俺、仕事で居ないけど、居てくれて構わないから」
女、「ありがとう」
私、「家にあるモノを勝手に売るなよ」
女、「そんなことしないわよ」
別の女を泊めた際、家にあるモノを勝手に売られたことがある私は、女にメシ代を渡した。
女、「貰って良いの?」
良いに決まっている、メシ代でアレが出来るのだから。
女が居候をするようになって1週間後、ガラの悪い男達が私の家にやって来た。
私、「なんですか?」
ガラの悪い男、「なんですかじゃねえよ、お前の女は?」
私、「俺に女なんていませんよ」
男、「一緒に住んでる女がいるだろ。Aという女が」
私、「私と一緒に住んでるのは、Bという女ですけど」
男、「Bって、この女だろ?」
男に見せられたのは、完成度の低い身分証。
その身分証に映っていたのは、それなりにアレを楽しめたBだった。
男、「あの女、兄ちゃん(私)の名前で俺からお金を借りているんだぞ」
私、「そんなの知りませんよ」
男に見せられた借用書には、私の名前と家の住所が書かれ、私の印鑑まで押されていた。
私、「幾らですか?」
男、「1万」
なんだ1万か。
たった1万で、ガラの悪い男達がいなくなってくれるなら安いと思い、サイフから1万円を渡すと
男、「明日また利息を取りに来るわ」
私が渡した1万は利息に過ぎず、ガラの悪い男達から女が借金したのは20万円。
一度お金を渡すと、元金の20万円を完済するまで、しつこく返済を求められた。