フェスの帰り、オタク仲間のA君を風俗に誘うと
A君、「もう、そういうのはヤメたんだ」
私、「どうしたの体調悪いの?」
A君、「体調は悪くないよ」
私、「コスプレでのエッチに興奮するって言ってたじゃない」
A君、「それは昔の僕だよ」
私は前回貰った風俗店の割引クーポン券を、A君のジャンパーのポケットに突っ込むと、手に硬いモノが当たった。
その硬いモノをポケットから取り出すと
A君、「勝手に触るなよ」
私、「これって・・・」
A君、「君には関係ないよ」
私、「それって、指輪を入れる箱だろ?」
A君、「だから、君には関係ないって」
A君は私と同じでモテナイ3要素(チビ・デブ・ハゲ)を全て持っており、風俗以外では異性と関わりの無い人生を歩んで来た。
な・の・に、どうして、A君は指輪を入れる箱を持っているのだろう?
不安な気持ちを抑えながら
私、「もしかして、彼女が出来たの?」
A君、「彼女ではないよ」
「彼女ではない」という言い方は、彼女ではない女はいるように聞こえる。
私、「その箱に指輪が入ってるの?」
A君、「一応」
交際経験の無い私でも、指輪が何を意味するかは知っている。
私、「もしかして、プロポーズをするの?」
A君、「(照れ笑い)」
自分と同じモテナイ3要素を全て持っている奴が、照れ笑いするとメッチャムカついた。
私、「騙されてない?」
A君、「どういうこと!」
私、「僕たちみたいな人間に、女が出来るわけないじゃない」
A君、「君と僕を一緒にしないでよ」
私、「誰にあげるんだよ」
A君、「この指輪を買った人にだよ」
私、「???」
指輪を買った人に、指輪をあげる?わけが分からない。
私、「どういうこと?」
A君、「指輪をあげようと思っている人は、指輪を売る仕事をしているの」
私、「その指輪、幾らしたの?」
A君、「付き合っているってことで、50万円にしてもらった」
私、「ご、50万もするの!?」
A君は街で声を掛けらた女から、50万円の指輪を買わされていた。
私、「詐欺じゃないの?」
A君、「失礼なことを言うなよ」
A君は騙されていることに気付いておらず、毎月分割で指輪代を支払っている。