私の家庭は、母子家庭でした。母は、工場の社員として働いていたのですが、生活をしていくのには、かなり厳しい現状になっていました。それと言うのも、母は欲しい物があると、つけで洋服などを買ってきてしまうから、当時は、学校の給食費などを後回しにしたりして返済をしていました。そして、私が中学に上がると、母は知り合いの紹介で、夜のスナックでも働くようになったのです。理由は、姉と私の為に。そして昼間は工場、夜はスナック。お金に余裕ができる!とおもっていたのですが、、その期待は見事に打ち砕かれました。何故かと言うと、今度はスナックで着る洋服やスカート、靴、カバン。それらを欲しいとおもったら買ってしまう。我慢ができないから、お金がなく買えないとわかりと、ガスや水道、灯油や電気代などのお金を使い買う始末。だから、水道やガス、電気が止まるのは、当たり前のことでした。でもさすがに、困ってしまうからその支払いをするために、私たちが親戚の家でバイトして貯めたお金を黙って使いこみ、難を逃れていたのです。だから、私たちは、いつも、ガス屋さんや市役所の人など、催促にくる人に怯えて生活をしていました。そんな生活をしていたのですが、私たちも働くようになり自分で使えるお金ができたことを喜んでいられたのは、最初の数ヶ月だけでした。母は、昼間の会社をやめ、夜のスナックだけの仕事をするようになったのですが、私たちの知らないところで、スナックに出入りしていた方から借金をしていたり、元会社の同僚の女性から借金をしたりと、今度は、その人たちからの催促の電話や訪問に頭を悩ませることになったのです。しかし、周りの方に迷惑をかける訳にはいかないと、結局私たちが働いたお金を借金にあてる生活が始まってしまいました。今は、年をとったこともあり、母の浪費癖は完全におさまった訳ではないですが、私たちに被害が及ぶことは、なくなりました。